学フェスに参加しました

学フェスに9月3日から参加していました.学フェスとは,かなりの歴史がある他大学合同地球科学系巡検のことです.地球科学系なので,鉱物,地形,地質の各スポットを見学,調査することが多いです.数日に渡って行われ,主催は各大学持ち回りで,半年ごとに開催されます.今回は信州大学主催でした.

参加は,二回目でした.前回参加時も信大主催で,最終日だけ加わりました.そのときは,日本最古の石である上麻生礫岩,主としてジュラ紀付加体である美濃帯に含まれる礫岩です.その後,下呂温泉に入って解散という流れでした.

今回は初日からです.最初は佐久平からはじまり,小諸火砕流,塚原岩屑なだれ,山中層群.二日目は,水晶採り.三日目は,テフラ観察,昇仙峡.

テフラについての知見を深められたのが最大の収穫です.地形の話も聞けて面白かったです.どこも地質調査の大変さは変わりませんね.本格的な沢登りはうちの学科はそれほどやらないので,大変そうでした.

比較的おとなしいスケジュールです.北海道大巡検に比べれば.

参加大学は,信州大学のほか,立正大学首都大学東京都市大学筑波大学(事情によりキャンセル)でした.常連の島根大学は残念ながら不参加です.

次回は東京都市大学主催で3月あたりです.参加方法は,よく知りませんが,各大学参加メンバー,主催なりと連絡を取るのでは.参加者は地球科学系の学科,サークルに属していることが多いです.学フェスの啓蒙手段は,ほとんど口コミな気がします.今回は参加者数は13人でした.

大杭背斜

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テフラ観察

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昇仙峡

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私から卒業する皆様へ

#テキストエディタにコピペして,Ruby.rbで作業ディレクトリに保存.作業ディレクトリにcdコマンドで,端末(ターミナルなど)から移動.ruby ruby.rbと打ち,エンターで実行.

puts "あなたは大学に入学しました.地質科に入り,美ヶ原,野外巡検,大巡検,進論,そして卒業論文を体験しました."
puts "あなたの名前はなんですか?"
na = gets.chomp
puts "さて," + na + "は卒業しますか? Y/N"
names = gets.chomp
if names.upcase == "Y"
  puts "おめでとう.私は心から" + na + "を祝福します"
  puts "答えてくれてありがとう," + na + ".院で残るならばまた遊びましょう.そうでないのならば,きっとまたどこかで会いましょう" 
  else
  puts na + ",私と一緒にもう少しだけ頑張りましょう"
end

信州大学理学部地質科学科について知りたい人へのページ

信州大学理学部地質科学科についていままで書いてきた記事をまとめました.

はじめに

信大地質科について知りたい人は,信州大学理学部地質科学科のページをご覧ください.

地質科学科|信州大学 理学部

この写真集を見てもらえれば,雰囲気が伝わるかと思います.

地質科学科の講義・実習

書いた記事

第一回 信州大学理学部地質科学学科 入学してからの生活

第二回 信州大学理学部地質科学学科 男女の構成比率について

第三回 信州大学理学部地質科学学科 実習について

信州大学理学部地質科 常念岳

信大理学部地質科学科の新歓ハイク(新入生歓迎ハイキング)について

上高地に行ってきた 後涸沢に登ってきた フォトレポート

信州大学理学部地質科学科前期試験 小論文対策

信大地質科 地質調査演習(進級論文)について

雑感

地質に特化しているので,地球物理とかを期待する人は他の大学に行った方がいい.しかし,堆積,火山,岩石学と自分の足で野外に出て調査をして来ることにかけては日本有数である.なので実践力が付き,地質コンサルタントなど地質関係の職につきたい人には自信をもっておすすめできる.

川や山に出て調査をすることを嫌う人には厳しいかもしれない.もちろん卒論テーマとしては室内メインのものも多数あるが,授業では野外にでて調査をする必要がある.

信大地質科 地質調査演習(進級論文)について

はじめに
信州大学地質科学科では,3年生に進級論文を書くことになります.これを書いて単位を取らないと,4年に上がれません……ということはありません.

これも複雑な事情があるのですが,簡単に言うと4年への進級要件は教養単位も含めて2年までの単位をすべて取ることにあるわけで,3年の単位はそれには含まれないわけです.

だといって,はっきりいってこれを達成しない限り,卒業論文を書き上げることは不可能でしょう.ただし,死ぬほど辛いです.


内容 調査期間中について
夏休みの長期休み中に地質調査を長野県阿南町で行なっています.ここしばらくですけど.

調査期間は7日間です.3人から4人の班を組んで行動します.調査区域は班によって変わりますが,2?四方ぐらいですかね.移動手段は車です.TAさん,もしくは先生が全日につきますが,あくまでもアドバイスです.

しんどいです.調査もそうですがね,まあ全て込みで.

一日調査して帰ってきて,データをまとめて全員の前で発表してまたデータをまとめて明日の予定を決めてを毎日繰り返します.最終目標が地質図と総合柱状図をつくり,構造を知って堆積環境について知ることですからそれを達成するために死ぬ気で努力をするわけです.

見えない等高線で柱状図を切ったり,引けない地層境界によくわからないところに出る堆積岩,花崗岩.翻弄されて,泣きたくなります.理解力を超える事象にいくつも遭遇します.しかし,それを乗り越えなければ卒論が書けません.当初の予定を修正しつつ,仮説に合わないところを地道に足で稼ぎます.そこに何が出ているのか,断層の証拠はないのか.かつての先人たちが書いた論文を参考にしながら,岩相を比較することも大事です.

調査も,沢に入り砂防ダムをいくつも超え,木にしがみつきながら山に登り,崖にへばりつく.それの繰り返しです.落ちても下まで2,3メートルの場所(それ以上だと止められる)なんで途中から平気になってきます.それを人は慣れという.

もう一つの敵,蜘蛛の巣.ヤブをこきながら進むわけですが,当然ながら木という木には蜘蛛の巣が張っているのでそれをハンマーなりで壊しながら進んでいきますが,失敗してヘルメットや顔中がクモの巣だらけになります.

そんな過酷な日々は,なんであそこに行かなかったんだ,データ不足だったという後悔を残しつつ終わります.それはしょうがないことです.だって初めてなんだもの.なんでもチャレンジすること,そうでなければ成長はありませんし,これを経て私自身も少しは一人前に近づけたのだと思います.


内容 帰ってきてからについて
帰ってきても休むことは許されません.時間がないからです.ダラダラやってもしょうがないです.

現地で調査してきたデータから岩相分布図と地質図をまず作ります.その過程で各ルート(沢)の柱状図をつくり対比させる事が必要です.各沢柱状図を対比させるわけです.指標となる凝灰岩や火山灰層,化石が含まれているか,岩相などさまざまなことを比べます.そしてその地方の総合的な柱状図を作るわけです.下から上にとどういう地層が出ているのかということがそれには盛り込まれています.層厚とかほかにも.

阿南町で広く出る新第三紀前期中新世の地層群は富草層群と呼ばれています.氏原ほか,1988に従うのならば,花崗岩を基盤に持ち,その上に下位から和知野層,温田層,大下条層,新木田層,粟野層と区分されます.その上に第四紀層が載るわけです.さらに富草スラストと呼ばれる低角の衝上断層が堆積岩の上に乗り上げており.花崗岩がそれに沿う形で登ってきて露出しています.そのスラストを考慮に入れなければなりませんし,さらに堆積岩中に花崗岩が突然出ている場合は不整合も考えなければなりません.とにかく難しい上に,頼れるのが論文と自分の調べあげたことだけという状況でとにかくデータと反しない地質図を作ろうと作業します.時間が何時間あっても足りない気がします.

そしてデータもまた,未熟な僕らがやるわけですから,常に正しい訳ではありません.特に走向と傾斜のデータ.地層の広がりの方向と傾きを示すわけですが,これがあまりあてにならない.どう考えても測ってはいけないところで取っているということです.信頼性が低いデータは混乱のもとですが,10取れば何かしらの法則性はわかりますので,当然必要な作業です.

3〜4週間ほど格闘してようやくできた地質図などをもとに報告書を書いてひとまずは終わりです.その後,誰でも参加できる報告会という試練を乗り越え完全に終わりとなります.不十分だと直しが入りますが.


まとめ
とにかく大変な地質調査演習(進論)ですが,やりきった感はあります.壁を突き抜けた感じと言うでしょうか.達成感と安心感が2対8ぐらいで存在しています.進論は一体なにをやるのだという僕からの一つの説明でした.得られるものは知識や経験だけでなく,コミュニケーション能力や地域への親和性など多岐にわたります.自分一人で出来るものではないんだなと実感させられます.けれど最後にもう一度言っとくとマジでしんどいです.心して掛かれよ後輩ちゃん.今までで一番しんどかった2ヶ月でした.


引用文献
氏原温・細山光也・斉藤毅・柴田浩治・伊奈治行・山岡雅俊・若松尚則・柴田律子・柴田博(1988),岐阜県岩村盆地の中新統の層序および中新世古地理,瑞浪市化石博研報,no.14,13-30.




おまけ
富草層群の層序,古地理ついては上に上げた論文が詳しいですが,宇井(1970)も読んでおくとよろしい.なぜかというと二人の見解は分かれていて,この富草層群について初めてまとめた鹿間先生よりの考えが宇井さんであって,氏原さんの考えとは部分的にちがいます.温田層や大下条層の定義など.

宇井 啓高(1970),長野県下伊那郡阿南町に分布する中新世,富草積成盆地の構造,地質雑,75(3),131-142

信州大学理学部地質科学科前期試験 小論文対策



地質科学科では前期試験に小論文が課されます。その配点は、1300点中の400点と少なくない配点です。よって、対策をしていくことは無駄ではないと思います。
今回は、その対策について書きます。自分自身、後期試験で入った人間ですので、小論文を受けてません。この記事を書くにあたって、同級生4人に話を聞いて来ました。この場を借りて、御礼申し上げます。


本題に入ります。
まず問題を見てみましょう。このページの地学科前期試験のところをクリックすると問題のPDfが開きます。


得点区分・出題意図・入試問題|信州大学 理学部


それによると、平成24年度が長野県の地震と活断層について、平成23年度が水資源について、平成22年度が富士山について、平成21年度がサンゴ礁について平成20年度が地震についてとなっています。


この問題を分析するに、題材は地質学全般についてだということが分かります。地学においては、天体などもありますがそれらは範囲に含まず、純粋に地質学について問うようになっています。


これは、信州大学地学部地質科学科の立場が関係していると思います。かつて、地質学を専門にする大学は岐路を迎えました。それは、惑星物理学(GPSや宇宙)などを抱合した地球惑星物理学と現場に即した地質学の2つです。


信大は、コース選択をできることによりどちらにも対応しています。3年時にコースを選択するわけですが、その時「地質科学基礎コース」と「応用地質科学コース」のどちらかに属することになります。

コースの選択|地質科学科|信州大学 理学部

前者は、必修が少なく自由単位が多いために他学科の授業を受けたり、自分の学びたいことについて自己選択することができます。後者は、必修が多く自由度が少なくなっています。そのかわり、公的機関であるJABEEによって認定を受けたプログラムであり、必要単位を満たし卒業することにより「修得技術者」の資格が与えられることになります。そして、申請によって「技術士補」の資格が与えられます。つまり、より地質の実務に即したコースとなっています。


さて、実際の所どちらのコースのが人気であるのかと言われると、それは一概には決められません。例年、どちらのコースが人気かどうかは変化します。応用のほうが圧倒的に人気がある年もあれば基礎のほうが人気がある年もあります。


それらを踏まえると、小論文の問題はより生活に即した地質学について強い興味を持ち、大学に入った後も学び続けられることができる学生を欲しいというスタンスであると推察されます。


本題に戻ります。聞いて来てきた4人の人を仮にAさんBさんCさんDさんとします。それぞれの人の対策について見ていきましょう。


Aさん
過去問を20年分くらいやった。その際、答えはないため高校の担当の教諭(地学の先生がおられなかったので、化学の先生)に添削してもらった。

【私見】
これが一番順当だと思います。過去問の分析は知識を深めるとともに傾向を探ることに繋がります。


Bさん
地学未履修。センター後に地学1を勉強して対応した。地学2は、読んだ程度でも役に立った。


Cさん
特に小論文について勉強はしなかった。ただ、地球科学について関連するテレビ番組などを見て地学について知識を獲得した。それが、自由記述の時に役に立った。また、中学校の時の資料集を見たことも参考になった。


Dさん
濃尾平野の構造運動など自分の興味のもったことについて本を読んだ。また、ニュートンの特集を見た。



総論
地学についての知識を持つことが大事です。その手段として、センターレベルの地学を勉強することが挙げられます。その他、映像で学ぶのもありでしょう。
手っ取り早い対策として過去問をやり、添削してもらうことも有効です。

細かい知識が問われる問題は少ないので、提示された問題文をよく読み理解する能力が問われます。その観点から、地学についての本を読み理解することが役に立ちます。


以上、地質科学科小論文についての記事でした。

上高地に行ってきた 後涸沢に登ってきた フォトレポート

景勝地 上高地に行ってきた。といっても、遊びではなく大学の実習でだ。上高地に堆積した地層を堆積順と共に学習した。一日目は上高地全般を二日目は涸沢まで山登り。

一日目は省略。おそらく専門の人(僕みたいな)ではないと楽しめないから。2日目の涸沢までの登山。早々と途中から雪が出現。登山靴に軽アイゼンを搭載。登る登る。途中何度も滑落の危険がありそうな所を気をつけながら一歩一歩踏みしめて通過する。何度肝を冷やしたことか。

そして、登ること3時間ぐらい。ようやく涸沢ヒュッテに到着。名物かどうかは分からないラーメンとおでんを食べ人休憩して下山。ヒュッテからの眺めは最高だった。

そんな感じ。一日目の夜のバーベキューの煙がひどくて目から涙が止まらなかったのが非常に良く頭に刻まれている。死ぬかと思った。下山後、バスで松本に帰りましたとさ。なんと、今週も土曜日大町に行く。少し休みが欲しいんですけど、しかし頑張る僕であったとさ。以下、写真を載せておく。

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信大理学部地質科学科の新歓ハイク(新入生歓迎ハイキング)について

地質科学科の新入生歓迎の催しである新歓ハイクについて今回は取り上げる。

概要
信大地質科では、毎年新しく入ってきた新入生を迎える行事として4月の始めに新歓ハイクという行事を行っている。新歓ハイクでは、新入生に地質科で学ぶ地質のこと全般について知ってもらうために博物館や地質学的な価値のある場所に行く。そこでは、単純な知識の他に、地質学というものの目的やあり方について先輩である2年生が中心となって一年生に指導する。まだ、大学という雰囲気に慣れない一年生にとって心配を払拭するいい機会になっていると僕は実際に体験して感じた。地質科全般のイベントであり、1年、2年の他に先輩、先生方も参加される。
2011年度は、4月9日に行われた。


参加者について
新歓ハイクに参加するメンバーは、まず1年生全員。これは当然である。そもそも彼らのために、行われる野外授業とでも言うべき物であるからだ。これから学んでいくことの全体像を知る上で参加は必須であるし義務でもある。そして、この新歓ハイクを計画し中心となる2年生。さらに、車を出して頂いたり、まだまだ未熟な2年生に指導をしてくださったりと感謝感激の先輩方。加えて、引率の責任者として地質科の先生方も参加される。先生方には、移動手段としての車などでも支援してもらっている。


本番までの軌跡
この新歓ハイクを計画、立案するのは2年生の仕事である。2年生の中でも新歓委員が中心となり予算を立て、パンフレットを作り、行く場所を自分たちで決める。巡る場所を決めるのには、地質学を学ぶのに役に立つ場所であってなおかつ1年生が興味を持てる場所であるなど様々な条件が関わってくる。出発場所である信州大学から遠すぎてもいけない。文献や先輩、先生方からの情報である程度候補を絞っておいてから実際の下見によって決める。今回の新歓ハイクでは、ここ最近よく使われていた生坂ダムを経由してどこかに行くルートではなく、諏訪の方面ヘ向かうルートを策定することになった。


そして、何度かの下見の後おおよそのルートが策定されたが、ここで3月の中旬問題が起こった。それは先の東日本大地震によるものである。直接的な物としては、本震、余震によって地層のそばまで行くのが危険だということである。現場慣れしている2年生以上では、危険性について熟知しており落ち着いた行動が出来るが、1年生ではそうはいかないだろうという予想が立てられた。落石などに巻き込まれれば命に関わる問題だ。間接的な物としては燃料不足である。交通網や石油生成基地の損傷により長野県内のガソリンスタンドでもガソリン不足から給油しにくくなっていた。足である車の燃料が確保できなければどうしようもない。

これらの問題を頭に入れた上で再度考え直された。具体的なルートが決まったのは3月の終わりだった。

信州大学を7時に出発し、途中一度の休憩を挟み、まずは国の天然記念物である蛇石を観察する。そこで、蛇石の出来たメカニズムを班ごとに分かれ2年生(班長が中心)が1年生に向かって説明する。次に、近くの浜横川鉱山跡地のズリに移動する。そこで、1年生にハンマーの使い方、岩石の割りかたなどを指導する。割る岩石は、マンガン鉱石。一通り手順を終えたら、今度は地球の宝石箱(博物館)に移動。昼食をとった後、館内の鉱物、化石を見学する。そして、最後の目的地である諏訪湖が見渡せる展望台に移動する。その後、大学に戻る。

これが最終的な計画である。


さていよいよ本番である。詳細は省くが、出だしは不運だった。雨が降り中止も危ぶまれたからだ。しかし、どうにか天気は持ち直し最後まで予定取り計画を終えることができたのであった。


終わってみて

感想としては、大成功ではなかっただろうか。最後まで様々なことがあったがそれでも1年生に対しての地学の面白さ、意義深さを教えるという当初の目的は果たせたと思う。これは、最後まで頑張った新歓委員、2年生、先輩方、先生方のおかげだろうと思う。その中でも先頭を切った隊長、副隊長には大きな拍手を送りたい。ありがとう。自分は微力しか力となれなかったので、彼らの頑張りに対し心より尊敬している。来年の新歓ハイクがどういった形になるのかはまだ当然ながら決まっていないが、成功を祈っている。地質科学科の未来は明るい。


以上、新刀無乃でした。

なお、生坂ダムなどの長野県の地質に関しては前に書いたエントリで参考文献を紹介している。
長野の地学について学びたい人におすすめの本

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信州大学松本合同図書館におけるブックハンティングについて

松本合同図書館のブックハンティングに参加してきた。

と言ってもブックハンティングとはなんぞえと思う方も必ずいるはずである。

だから簡単に説明しちゃうのだ。

ブックハンティングを日本語に意訳すると(異訳ではない)本を狩るという意味である。


はい、意味が分からないでしょう。

具体的には、松本合同図書館の本を学生に選んでもらうというものだ。

たまたま暇だったので、僕は応募し選ばれた。定員は10名だったが、応募してきたのは定員ちょうどぐらいだったらしい。
今の文の使い方は、おかしいのはわかっているよ。
それから急な都合で来れなくなった3名を除いた7名が参加した(僕も含めて)。

男女比は例年とは違い、男子五、女子二だった。

当日、五時に集合場所のカウンターに行くとカウンターの奥で既に何人かの人影が見えた。少し遅かったかなと思いつつ、カウンターの職員さんに声をかける。
向こうも僕が参加者であることに気づいていたらしくスムーズに奥へ案内され、参加者に加わった。
お菓子、お茶などが用意され至れり尽くせりの対応。
ただ感謝。

それから、職員の方からブックハンティングについて説明があった。その後、車で会場の書店に移動した。

30分ほどで到着。それから1時間ほど本を選ぶ時間が与えられた。

本の予算は一人3万円ほどまでオッケイならしい。
せいぜい1冊程度だと思っていたが、これは驚き。
張り切って選んだ。

1時間後、記念撮影をして大学に戻り、そこで解散だった。

裏話
とあるライトノベルを僕は選びたかった。
知的であるはずの大学図書館にサブカルチャーの典型とも言えるライトノベルが置かれていたらそれはある意味異空間という芸術になると考えたからではない。

単純に置くべきだという判断をするに値する本があったからである。けれど、その本がブックハンティングで使用した本屋になかった。それで選べなかったのだ。大変残念であった。

なかった本は前から一押しの『羽月莉音の帝国1』。本当になかったのが残念だった。
そのかわりと言っては何だが、イチオシのSFを選んだ。ライトノベルと同価値の衝撃が与えられるかもしれないやつだ。『天体の回転について』ハヤカワ文庫本。何がすごいって、アマゾンで検索してみたらわかるよ。
ということで松本合同図書館のオススメ本に一冊異色なものが並んでいたら僕の仕業だと思っていい。少しでも日常に驚きが生まれるように。それが僕のその本の選考理由だから。