若手研究者のためのサイト .review

.reviewというサイトがある。タイトルだけではなにを扱っているサイトかどうか分かってもらえないと思う。

そこで.review 宣誓文から言葉を借りて説明したい。

翻って研究者の卵という私たちの立場を鑑みたときに、いまできること、すべきことはなんだろうか、と考えるに至った。一昔前には学会誌や商業誌以外にも、企業CSRメセナの位置づけの中で、若手の登竜門といえる媒体が少なからず存在した。またかつては大学院、特に後期博士課程もそのような機能を有していた。少なからず、そのような媒体は雑誌とともに軒並み姿を消し、新しい場となりつつあったブログブームも一巡。徐々に一般に認知されるきっかけとなる場所がなくなりつつあるのが現状だ。

このような状況の中では、もはや新しい書き手が頭角を現していくための場を企業や既存媒体に頼り切ることは困難である。だとすれば、このような場を自らの手で作っていくことが、私たちにとってのリアリティなのではないだろうか。私たちは、問題の責任を誰かにおしつけることも、実現する見込みのない革命に期待することも、そして勝手に捏造された絶望の押し付けなど望んではいない。私たちが欲しているものは、冷静かつ正確に現状を見据えたうえで記述された処方箋にもとづく希望の言説だ。

私たちは、ここに project「.review」の開始を宣言する。

「review」とは、「見直すこと」、そして「再び見ること」という意味だ。敷衍すれば、「.」(dot)すなわちインターネットの上に、知と書き手と読み手の「再会の場」を作り出すとも捉えられよう。project「.review」は、あらゆる知と、まだ世に出ていないあらゆる書き手、そして、あらゆるメディア、そしてあらゆる読み手をブリッジするハブとなる場となることを目指す。

読んでみてもらえば分かると思うが、つまりこういう事である。

研究者の卵たちが情報を発信し、それを読み手に読んでもらうための場が失われた。その状況を打開するためにインターネット上に書き手と読み手が出会う場所を創りだそうと言うことである。

若手の研究者たちが自分の研究を発表し、読み手は感想をツイッターで執筆者に直接伝えることができるという革新的な試みも行われている。

載せられている論考の中にはいままで出てこなかったような独創的な研究もある。それらは、このサイトがなければ私たちは出会えなかっただろう。

研究者の卵たちが始めたこの取り組みは新たなる知のハブとなる日も近いと私は考えている。ぜひ、みなさんも読み手あるいは書き手として参加して欲しい。日本の学問の未来の為に。