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.review 文学部再建論ーー文学部生への3つの提言 杉本未来著を読んで思ったこと

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著者はこの論説の中で文学部になんとなくつまり特に本につよい興味があるわけもなく入ってきてしまった人に対して応援のメッセージを送っている。

著者自ら指摘していることだが論文というよりエッセイに近いものであるので気軽に読むことができた。

提言をまとめると

1、好きなものを読め。教員の読むべきと思っている本ではなくて学生自身が読みたい本を読めばいい。たとえそれが漫画でもライトノベルでもいい。
2、次はそれを理解し、導いていくれる教員と接することである。迷わず自分の読みたいものを見つけたらその分野に一番近い教員を尋ねることである。教員は自分の話を聞いてくれたらそれを踏まえた上で関連するテーマの「読むべきもの」を紹介してくれるかもしれない。教員も学生がどのような事柄に興味があるかや人となりが把握できればそれに沿った指導がしやすいはずである。卒業論文等を書く場合、このような信頼関係が生み出す指導上の効果は大きい。
3、人と人とのネットワークを築くことである。他者と関わることは文学研究にとって意味が無いものと思われるかもしれない。しかし情報交換もまた大事なものである。そうしなければ、自分の中の「読むべきもの」にとらわれてしまう。

この論文を読んでわかったことは、文学部(特に日本文学)は取れる資格も少なく将来的に役に立たないと思われていることもある。それにより、純粋に本に興味がある人や国語の教師を目指して入ってくる人となんとなく入ってくる人とが二極化している。
一方、教員たちは彼ら一人一人の事情に深くかかわらない、というよりも自分の研究の方が大事なので学生は入ってきたときのまま学生生活を送ることになりこの二極化という状況は変わらない。
そこで著者は前述したような提言をして文学部を良くしようとしている。

提言をまとめると、本を自発的に読むというアクションをおこし、それを教員に伝えることで学生から教員へとメッセージを送る、それを受け取った教員はメッセージを理解し学生に送り返す。これにより両者の間には相互関係が生まれ、循環体系が成立するということだ。

大学進学率が5%であった頃は何もしなくてもこの体制ができていた。なぜなら大学に入ってくる学生は文学に強い興味がある人だけであったからだ。しかし時代は変わった。大学全入時代が言われ、そのような人以外も多くが文学部に在籍するようになった。これは他の学部学科でも同じことである。
学部としての質を上げるには学生全体に対する文学に興味を持つ人の割合を増やす必要があるのだ。
そういう観念からこの提言は有効なものであると私は考える。

大学生の学力低下はこれ以上悪化させてはならない。いっこくもはやい対処が必要だ。

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「文学部」再建論――文学部生への三つの提言/杉本未来(#co_article024)

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