ミグストラノート

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納本制度審議会答申「オンライン資料の収 集に関する制度の在り方について」の概要

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以下引用

納本制度審議会答申「オンライン資料の収 集に関する制度の在り方について」の概要

オンライン資料の定義を、「インターネット等 により利用可能となっている情報で、図書、逐次 刊行物に相当する情報」とする。なお、これらの 情報は、有体物ではないことから図書、逐次刊行 物に相当するということはあくまでも類似の概念 である。今回検討の対象とするオンライン資料は、 従来の出版物と同様の編集過程を経てインター ネット等を通じて出版されるとの諮問理由から、 ウェブ情報、放送番組等とは異なる類型の出版物 である。

(1)オンライン資料と他の資料との区別
オンライン資料は、国立国会図書館(以下、館) が何らかの記録媒体に記録し収集するという点で 有形の資料とは異なること、平成 22 年 4 月以降の 制度的収集の対象である国等の公的機関が発行す るものではないこと、「図書、逐次刊行物等に相 当する情報」を対象とすることから、ウェブ情報 や放送番組等の他の「ネットワーク系電子出版物」 とは一定程度の区別が可能である。 なお、収集にあたってはオンライン資料の典型 的な例によるガイドラインを示すなどの工夫が必
要となる。

(2)オンライン資料と印刷出版物
同じ内容の紙媒体での出版物が存在するかの確 認事務、紙媒体とは異なる内容かの調査事務の負 担を考慮し、特にオンラインのみで出版されたも のに限定はしない。

(3)有償、無償の取扱い
館における収集の目的を考慮すれば、有償・無
償を問わず、収集対象と考えられる。

(4)「編集過程」の有無
オンライン資料では、紙媒体の出版物とはかな り異なる編集過程を経る場合があるが、「 従来の 出版と同様に何らかの出版制作過程 」 を経たもの との解釈の上で収集の対象となるオンライン資料 を判断することが妥当である。

(5)データベースと動的出版物
データベースについては、個々のコンテンツそ のものは収集の対象となるが、データベースシス テムそのものは、収集の対象には当たらない。ま た、頻繁にデータの更新、書き換えを要する動的 出版物は、紙媒体の出版物との類推でいえばきわ めて簡易な出版物であり、収集の対象には当たら ない。


(1)発行者・発行地
発信者の送信による収集を行う場合は、発信を
1 オンライン資料の定義
2 収集の対象となるオンライン資料
3 収集対象の識別
8 ■国立国会図書館月報592号 2010.7行う者が日本在住であるか、所在地が日本国内の ものとする。一方、館が収集用のソフトウェア等 を用いて収集(自動収集)を行う場合については、 複製行為を行う対象のサーバの所在地が日本国内 である場合が考えられる。 また、現時点では、代表的な流通経路はインター ネットであるが、技術発展の早い分野でもあり、 インターネットという流通経路だけに限定するこ とは適切ではない。

(2)外形定義
通常、図書、逐次刊行物等には固有のタイトル、 著者、発行年月等などの書誌的事項が明確に記載 され、独立した一つの単位として識別できること が多く、これらの事項の有無が識別の際の判断材 料となる。

(3)内容による限定
価値判断を排し、内容による限定を行わず収集 するという納本制度の考え方は、踏襲されるべき である。

(4)収集対象資料の粒度
オンライン資料は、単行図書の一章、逐次刊行 物の個々の論文を独立した単位として公開するこ とが可能である。これらについては、部分であっ ても収集の対象となる。ただし、完全なものを収 集できることが明らかな場合は、一部分のみの情 報を収集対象から除外することもあってしかるべ きである。

(5)オンライン資料における最良版
作成年月、データ量等のファイルの外形が同じ であれば、同一版であると判断し、最初に登録し たものを最良版と見なしうるが、そうでない場合 は、一般的には別の著作と判断し収集の対象とせ ざるをえない。


(1)自動収集と送信
オンライン資料の収集は、情報の発信主体によ る送信を主として行うこと、技術的に可能な場合 には、自動収集を行うことが考えられる。

(2)義務を負う者
オンライン資料の収集に関する義務を負う者 は、当該オンライン資料をインターネット等によ り、広く公衆に利用可能とした者である。

(3)オンライン資料のフォーマット
送信による収集の場合、流通しているフォー マットを送信する場合と、何らかの標準的なフォー マットに変換して送信する場合が想定される。出 版物の同一性の保持のためには出版時のフォー マットでの送信が重要であり、他方、オンライン 資料の利用および長期保存の観点からは、館が何 らかの標準的なフォーマットを指定し、発信者が 当該フォーマットに変換して送信する方法が考え られる。また、館が自動的収集をする場合は、収 集の時点でサーバ上に存在するオンライン資料を


4 オンライン資料の収集
国立国会図書館月報592号 2010.7 ■ 9
そのまま複製して収集することが原則となる。

(4)メタデータの付与
オンライン資料には、その識別、利用、検索、 保存、管理等の目的でメタデータが適切に付与さ れることが望ましい。


(1)館施設内利用
館施設内でのオンライン資料の利用は、基本的 に有体物の図書館資料と同等とすることを想定す る。同一コンテンツに対する同時アクセス数につ いては制限があるものと考えられる。

(2)視覚障害者等によるテキストデータの利用
「図書館の障害者サービスにおける著作権法第 37 条 3 項に基づく著作物の複製等に関するガイド ライン」に準拠して、視覚障害者等がオンライン 資料を快適な環境で利用できるようにする。

(3)著作権法その他の問題
記録媒体に記録する場合には、法律に基づく複 製権の制限が必要である。その他、著作権法の他 の規定、不正競争防止法との関連も検討する必要 がある。


(1)「代償金」
オンライン資料には 「 印刷・製本 」 の工程、「作 成部数」の概念が存在せず、「生産費用」の補償
としての「代償金」の考え方を準用することは困
難である。

(2)利用による経済的損失
有体物の図書館資料の利用形態である閲覧、複 写、図書館間貸出しにおいては経済的損失の補償 は不要とされており、オンライン資料の利用が
「5 利用にあたっての想定」で想定する利用形態 である限りその経済的損失の程度がきわめて軽微 であり、補償を要しない。

(3)納入に係る手続費用
送信による収集が行われる場合は、フォーマッ ト変換、デジタル著作権管理(DRM)解除、メ タデータの作成作業や送信のための手続に要する 費用が館法第 25 条第 3 項に規定する「納入に通常 要すべき費用」に相当するものとして考えること ができる。

今後、文化財の保存と蓄積に係る館の任務とし て、これらオンライン資料の収集については、制 約ある資源の中であっても、段階的にかつ着実に 取り組む必要がある。
(収集書誌部収集・書誌調整課)
5 利用にあたっての想定
7 おわりに
6 収集および利用にあたっての経済的補償
10 ■国立国会図書館月報592号 2010.7
納本制度審議会委員・専門委員名簿(平成 22 年 6 月 7 日現在)(五十音順)