人皮装丁本とは?

世の中にはいくつもの素晴らしい装丁を持った本があるが、その中には下手物といわれるようなとんでもない装丁を持った本がある。それが人の皮を使った物である。

パリのソルボンヌ大学には、それがあるといわれている。いつ頃、誰が書いたか不分明ではあるが、偽物でないことは分かっている。それと一緒に一冊のきれいな聖書があるが、これまたある婦人の皮に書かれたものであると、言い伝えられている。

聖エドモンド・バーリーのアテネアム図書館には、レッド・バーンの殺人鬼として知られ、1828年に死刑となった、コーダーという男の皮で装丁した本がある。内容はローダーの公判記録である。また、メルボルトス・ハウには、絞首壇上の露にと消えたヨークシャーの鬼婆マリイ・バトマンの皮と、同じく1830年断頭壇上の露と消えたジョージ・ガドモアという男の皮でできた本がある。

また、詩人がけがにより切ることを余儀なくされた、足の皮膚を使って詩を書き、愛する女性に送ったなど数えればきりがない。見るからにいたそうな話だが、日本でも、とある大学教授がふと手に入れた皮を装丁家に依頼し本を作ってもらうように頼んだ話があるが、装丁家は罰が当たると言って決してやらなかったという。

参考資料
庄司浅水 世界の本屋 アテネ文庫)