ライトノベルには実在都市が舞台の作品が少ないのはなぜだろうか?

少し前にこのような記事を書いた。

ライトノベルで今までにやられていない要素について - Sa雪→書を読むこと

この記事では、今までにライトノベルでやられていない要素について考えた。そして、人を楽しまさせるということから離れた物や風景描写が詳しい物などを挙げたが、その中で一つだけ僕の中で深く考えたい物があった。それは、ご当地物についてだ。ではなぜ僕は熟慮すべきだと思ったのだろうか。


それは、ご当地物は実在都市を巡る物語であるからだ。例を出すならば探偵物や都市を舞台とした人の出会いと別れ、出来事を描くものなどだ。これらでは舞台となる都市を実際に登場人物達が移動して話が進むことになる。ライトノベルの作品がこれだけ大量に出て、規模も拡大した割には明らかに少数であるように思えてならない。実際、この要素について盛り込んだ例は数えるほどしかない。


このような要素が少ない背景には、前回ライトノベルでは、現実世界を逸脱した要素を持つものが多いからではないかと考えた。最近人気のライトノベルである「とある魔術の禁書目録」にしろ、「バカとテストと召喚獣」にしても明らかに私たちの現実世界ではあり得ないギミックが登場している。そしてそれらを軸としてストーリーが進んでいる。そのような現実世界から逸脱した物を、実在の都市に組み込んでストーリーを作ることよりも、初めから新しい物語ごとの舞台を作った方が楽しいと作者は考えたのではないだろうか。仮想都市ならば自由に設定を作ることができるからだ。実在都市に限ることでストーリー上に起きる制約がめんどくさいということである。



さて、今までは序章でありここからが本番だ。少し過激な話になる。しばしば明らかにおかしい表現やストーリー上の齟齬がライトノベルには見受けられる。たいてい読者は笑ってスルーするが、これは作者の力量が明らかに他の一般小説家に比べて劣っている証拠だと思う。ライトノベルの作家達が他の分野の作家に比べ低年齢でデビューすることから鍛錬不足であり文章力が劣っているからだと考えられる。これは面白ければ、多少文章作法その他が劣っていてもデビューさせると言う風潮も影響しているのではないか。しかし、長期的な視点で見るとより良い作品を生み出し続けるにはそれらの技能が必須になるからこれはマイナスだと僕は思う。


さらに、ライトノベル作家達は取材をしたり資料を集めるということを満足に行っている人が少数なように思える。やったとしても作品を書く前にインターネット上でさっと調べた程度にとどまり、文献や人への取材を行う人はほとんどいないのでは。

もしかしたらそんなめんどくさいことを避け、手間を省くために想像上の都市や技術を出しているのだとも考えられないだろうか。そしてこれが実在都市が少ない理由に繋がって来るわけである。このような要因もあるんじゃないかなと思ってしまう。



同意、不同意、不満、コンプレイン、僕のおごりだと言う人はコメントなりでどうぞ(SZBHのエンディングのオマージュ)。