女鳥羽の道祖神

長野県各地に道祖神と言われるものがある。それらは、子孫繁栄や村の守り神などとして作られ、近世では旅の守り神などして信仰されている。松本では、道祖神を奉って祭りなどの儀式が村単位で盛んに行われていたが、時代を経るにつれて信仰が薄れ多くのものが消滅した。そんな道祖神について一つ興味深い話がある。
かつて、道祖神を村同士で取り合っていた時代があった。守り神である道祖神を夜中にこっそりと隣町の衆が奪っていくのである。取られようしているときに気づいて止めに入れればいいが、それが出来なかった場合、後からお金を払って返してもらうということが行われていたらしい。それを防ぐためにあらかじめ道祖神に盗んだときの賠償金の額を刻んでそれを防ぐようにした村もあったそうである。時にはけんかにも発展したと言うからどちらも必死である。
道祖神について詳しくは、wikiを見てもらうことにして、信州大学近くにも道祖神があるので紹介しておく。

女鳥羽地区、大学側のとある駐車場にそれはある。男神と女神が対になって、手を握っているという標準的な物だ。双体道祖神と呼ばれる。なお隣には別の像がある。


だが、松本の旧市街地には石で出来た石仏道祖神は1つ以外はないはずなのだが、最近作られたのだろうか。謎は残る。松本の道祖神に知りたいのならば、『松本平の道祖神』と言う本がおすすめだ。同シリーズに『安曇野の道祖神』もある。

松本平の道祖神 (1975年)

松本平の道祖神 (1975年)