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ミグストラノート

ラノベ読みの日記です。その他、地質。

今月買ったライトノベル、漫画の感想を書く その1(ラノベ部、GJ部6) 

ライトノベル 漫画 書評

ライトノベル

ラノベ部 (MF文庫J)

ラノベ部 (MF文庫J)

ライトノベルに魅了された女の子が軽小説部、通称ラノベ部を作り、そのラノベ部の部員達の何気ない会話でこの物語は作られている。

短編の集合体というコンセプトとしては、同作者の「僕は友達が少ない」と同じである。富士見ファンタジア文庫で言えば「生徒会の一存」がこれに近い。毎回、テーマを設けてそれについての話が行われている。ただし、メタ発言や過剰なノリ突っ込み、ギャグ、下ネタがないのが「僕は友達が少ない」との大きな違いだ。悪く言えば地味ではあるが、良く言うならばくすっと自然に笑わせてくれるお話が詰まっている。それぞれの短編のテーマの例を出すとライトノベルのパロディや表現技法、リレー物語が挙げられる。ライトノベル読者必見と言えば、言い過ぎかもしれないがライトノベルを初めて読む人にとって知っておくと理解がしやすいような萌え文化全般を知ることが出来る。よって、初めてのライトノベルに最適ではないだろうか。

残念なところは、同作者の「僕は友達が少ない」と同様に恋愛を上手く絡められていない。これは3巻という巻数も影響しているが恋愛に関しては少々足早な展開が見られる。もう少し、3巻で終わらせるならば一巻の時点から伏線を張って置くべきだっただろう。後は、絵に置いてキャラの書き分けができていないのでどれも同じ人に見えてしまうことがあるくらいである。

GJ部よりも萌え4コマに近い作品だ。まさに日常系良作の典型例だと思う。現実には存在はしない理想世界ではあるが、物語の中ではあってもいいはずだ。作者がそのような世界を作ったのは、現実もそういった優しい世界の集合体であればいいと考えているからなのだから。「僕は友達が少ない」よりもこっちの方が好きになった。両方を読み、違いを比べてみても面白いかもしれない。殺伐とした世界から少しの間離れたい時、あなたのかけがえのないパートナーになるに違いない。そして、ブギーポップは笑わない (電撃文庫 (0231))が読みたくなるだろう。

GJ部(グッジョぶ)6 (ガガガ文庫)

GJ部(グッジョぶ)6 (ガガガ文庫)

4コマ小説の名の通り、一話4ページのショートショートによって構成されている作品。GJ部という部活にてラノベ部と同様にゆるい会話が繰り広げられる。第6巻にて、先輩達が3年の夏に到達。けいおん!のように受験がどうこうという話にはならないだろうが、そろそろ終わりが見えてきて寂しい。絶望先生みたいに延々と留年させる、或い時間を止めるというのがいいのかは分からないが、卒業というイメージが見えてしまって悲しくなってくるのはまた事実である。

本巻の構成的には、一学期から夏休みまで。最後は、イベントで締めくくるという完璧な流れがグッドである。文句の付けようがない。後輩であるタマも良い感じにGJ部になじんできて、違和感なく溶け込んでいる。この6巻にて一番のサプライズがあったとすれば、天使家の3女、聖羅の性格だろう。長女のトリッキー、次女の優しい性格を見るにどちらかの系譜を継ぐのかと思ったら両者とも全く違う性格。容姿も含めて驚かされ、魅力的なキャラに仕上がっている。

ラノベ部との違いは、GJ部が京夜という男キャラ(主人公)との目線で書かれているのと対照的に、ラノベ部では主人公という物が存在しないことである。後者では、各キャラクターがそれぞれ主役を交換して話が進んでいく。両方とも3人称だが、そこに大きな違いが存在している。だが、ラノベ部の方が各キャラクターの視点で書くことが出来るので、選択肢が広がりストーリーを作りやすいと思われる。長所はそれぞれあるので、どちらがいいとは決めつけることはできない。

外れがないのが素晴らしい。最後まで、生徒会シリーズ本編のようなマンネリを抱えることなく終わって欲しい。いやでも終わって欲しくはないという複雑な気持ちを抱えつつ、現実世界の不可逆性が必ずしも空想世界に適応されることのないことを意識してしまうのだった。