高速バス予約システム「ハイウェイバスドットコム」のシステム上の問題

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高速バス予約システムとして「ハイウェイバスドットコム」というサービスがある.

高速バスのハイウェイバスドットコム|長野、山梨、松本へ。中央高速バスの簡単予約

このサービスでは,利用者は高速バスを簡単なプロセスで予約することが出来る.空席状況を見ながら乗りたい便を選択して,席を決めて,名前と電話番号,メールアドレスを書くだけである.このシステムは,シンプルさ故に利便性が極めて高い.アカウントを作らずとも,スムーズに予約できるのは魅力的である.

一方で,このサービスは大きな欠点が抱えている.それは路線によるが,予約したにもかかわらずバスが出発した後でさえお金を払わずしてキャンセルできてしまうというものである.

簡単に説明すると,利用者が予約したあとで,何らかの形でお金を払ってそれを保証にするという一般的なシステムではあるが,その常識は通用しない.なぜなら,お金は乗る前の直前に払うことが出来るからである*1.つまり,そのバスが出るその瞬間までにお金を窓口で払えばいいのである.

そうこの当日窓口でお金を払えばいいというのがシステム上の問題を引き起こす.

先日松本から名古屋まで高速バスに乗ったときのことである.発車する10分ほど前窓口でおばあさんが,同じバスに乗ろうとして予約を依頼していた.しかし,この日の予約はこの便だけではなくて,その日いっぱい全て埋まっていて,窓口でそう告げられたおばあさんは悲しそうであった.またある真面目そうな学生も同様の理由でおばあさんの後に断られていた.

しかし名鉄バスターミナルでバスに乗った後気づく.あれ,空いているじゃん.後でだれか乗ってくるのかな.ところが,誰も乗ってこない.そして,そのまま終点の松本へ着いてしまった.

そうぶっちしたのだ.

このように,予約をキャンセルせずに当日来ないで,その席が空席のままバスが出発するということがよく起こっているように思える.これは乗りたい人が乗れないという不公平さとバス会社からしてみればその分の収益が得られないという問題を生じさせる.

なぜ,こんな事が起こるのかと聞かれれば,お金を払わずに予約できてしまう,そしてそのままバスに乗らなくてもキャンセル料金が請求されないというシステム上の問題があるからだ.さらにアカウントを作らない利用では住所を記入する欄もないので,悪質な利用者に後日お金を請求しようとしても難易度が高そうである.

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ただ,バス会社はこの欠点を知っていてわざと放置しているように思える*2.お金は当日払えばいいという仕組みは,その利便性から利用者にとって有益なものであり,利用者を増やすためにはその欠陥による損失は無視できる程度であると踏んでいるのかもしれない.あるいは,単純に今の常識ではなくて昔の社会常識を引きずっているだけかもしれない.こんなことを満席なはずなのに両隣が空いている席に座りながら思った.

*1:路線による

*2:なぜなら一度トラブルにあってバスに遅れてしまって乗れなかったとき,別にキャンセル料金は請求されなかったばかりか,遅れてしまったことを謝った自分に対して,窓口の人は困惑しているようだった.おそらく,そういうことはしょうがないと認識しているのだろうと感じた.わざわざ謝罪する人もいないのでは