新しい言葉を作り出す必要がない例

東京新聞:「万引」呼び名変えて 「犯罪の印象薄く 撲滅妨げ」:社会(TOKYO Web)

上記の例のように,定着した言葉が現実の被害や状態を適切に伝えていない場合はよくあります.そういう場合,権威者が新たな言葉を作り出そうとする動きが見られますが,これは必ずしも必要ではないでしょう.

万引という言葉の重みがその犯罪行為に対して適切でないのは事実です.重みを与えるためにはどうすればいいでしょうか.それは簡単で,窃盗罪と呼べばいいだけです.

上位概念の窃盗の下に,万引があるのですから,より上の概念で呼んでも差し支えないでしょう.100円の商品を盗むのと10000円の商品を盗むのではその犯罪行為「窃盗」に差があるわけではないのですから.

同様に,ブラック企業を違法労働企業・犯罪企業と呼び変えるべきです.新しい言葉を作ってしまっているので,上記の例とは同じではありませんが.