おすすめ本「人類と気候の10万年史」

花粉分析,水月湖の年縞で有名な中川毅先生の新書.相変わらず時を刻む湖と同様に読みやすい.

気候変動についての基本,水月湖の年縞などから復元した最近の気候について書いてある.

花粉からどの植物の属であるかを認識して,その比率などを現在のデータと対比することでより詳細な平均気温などを復元するモダンアナログ法を開発したのはすごい.花粉分析を使うことで,より最近の人類による影響を検討することができるのは基本的な手法でありながら,大きな可能性を感じる.

堆積岩石学だと,同様の可能性のある手法がGazzi-Dickinson methodである.単純な砂岩組成のデータがテクトニクス場の復元に役に立つ訳である.

複雑な分析機器を使わなくてもやれることを自分も平行して模索していきたい.