私、能力は平均値でって言ったよね! WEB版感想

アニメ化も決まった「私、能力は平均値でって言ったよね!」の感想を短くまとめる.「私、能力は平均値でって言ったよね!」は,小説家になろう連載作品で書籍化,ノベライズ化もされており,どちらもベストセラーになっている.

私、能力は平均値でって言ったよね! 1 (アース・スターノベル)

私、能力は平均値でって言ったよね! 1 (アース・スターノベル)

この作品の特徴

この作品を最新話まで読んで思うのは,とてもJRPGのようなゲーム的であるということだ.その傾向は,この作品の大部分を占めているパーティーを組んでクエストを受けつつ旅をするハンター編で特に強い.

クエストを受けるたびに主人公のパーティーやこの世界の謎が明らかになったり,メンバーのスキルが少し上昇したりゲームをしているような気分で読むことができる.

それぞれの依頼やメンバーの過去が明らかになることも大掛かりかつ複雑何十話もかかるものはなく,イベント的に感じる.

なので非常に読む方としてはゲームのムービーを見ているようで気楽に楽しむことができる.

その他の特徴

世界に対する記述

読んでいて思うのはキャラクターに対する説明はあるものの,今暮らしている空間がどのような風土で街の様子はどういう感じなのかという描写が殆ど無いことだ.デスマーチから始まる異世界生活とは対照的だ.なので,町や国を移動するものの,夜は冷え込むのか,日差しは強いのか,雨や雪などの天気,人々の樣子などについていくら読んでも深く知ることはできない.

そういう描写を省いていても許されるWEB小説らしさを強く感じる作品だ.

世界の謎

暮らしていく上での風景描写などは省かれているものの,最終的なゴール地点になる可能性がある世界の謎についてはかなり書かれている.魔法の原理などはご都合主義的であるが,設定が存在しているし,さらに敵となりそうな内部外部の存在についても描かれている.

主人公のマイルは,生まれる際に平均的に作られているためにこれから出会う平均以上の存在とどう戦うのかが楽しみだ.

パーティメンバー

レーナ,メーヴィス,ポーリンとマイルで四人で構成されるパーティー「赤き誓い」.マイル以外の三人は正直あまり強くない.285話の段階でもマイル抜きで古竜に勝つのは不可能だろう.これから強敵と戦う上でどうするのだろう.ナノマシンに対して力をより貸してもらえるように働きかける権限を強化する必要がある.それはマイルも同様だ.魔法であればおそらく身体の強化はいらないだろうが,剣士であり魔法適性がないメーヴィスがどうするのか気になるところだ.ドーピングしまくるわけにもいかないだろう.

今後の展開

メンバーの強化,ハンターAランク,外部からの敵襲,世界の謎の判明 (例えば遺跡や古竜に会いに行く) を体験しつつこの世界を守った,楽しい日々は続いていくみたいな感じで進んでいくのではないだろうか.

私、能力は平均値でって言ったよね! (1) (アース・スターコミックス)

私、能力は平均値でって言ったよね! (1) (アース・スターコミックス)