企業系バーチャルYouTuberは直接的あるいは間接的にフリーランスになれる

登録者が10000人いかないと活動終了する (した) VTuber,アズリム*1からのパワハラ告発と騒乱のV界.

辞めるときにはお葬式が必要、マネタイズは難しい……キーマンたちが語るバーチャルYouTuberの今【Unite】 – PANORA

さて上の記事は少し前に書かれたもので今のVTuber界の問題のいくつかを正しく指摘している.マネタイズのところや芸能人と同じように魂と身体が切り離せないところだ.

ただ企業系VTuberがフリーランスになれないかというとそこは違うんじゃないだろうか.この部分を指摘している人がUnityやVRまわりの関係者なので3Dモデルをリッチな機材とスタッフで動かすことを念頭に入れて話しているが,VTuberの配信スタイルはそれだけではない.

3Dモデルであっても個人で配信している人はかなりいて,機材と知識があればなんとかなる.Live2Dならば,PC一つでより簡単に動かせるし運用コストはより低い.そして究極的な話として別にモデルが動かなくてもいいのだ.一枚絵でゲーム配信をするなんて当たり前だし,絵の向こうにいる魂の誰かと結びついた一人のVTuberをいつでも視聴者はみることができるのだ.それが人間の想像力の可能性だ.

例えばイレギュラーな例でいうと大谷さんは,2Dのイラストと甲賀式3D使いだが,それでも大谷さんというVTuberは確かに存在する.


ごはんを作る食文化研究系VTuber『大谷さん』です

なので企業系VTuberがそのままの身体でフリーランスとして活動することは十分ありえる.元アマリリス組のメンバーは,企業がVTuber事業を切り捨てたという事例ではあるが企業から個人へと移ったVTuberである.

ソーシャルゲームでも最近は,終了したゲームのシナリオだったりモーション,モデルなどを無料などで配布することがある.ファンへの感謝の証として,企業が他に使いみちを見いだせない人や物に依存しているものについて提供することが行われているのだ.

今後,無料か金銭と引き換えにフリーランスになる企業系VTuberがこれからも出てくるに違いない.ただ,企業によってはそういう対応を拒否してくるところもあるだろう.

その場合企業系VTuberで魂をやっていた人の手元には何も残らないと記事では指摘されていたが,その認識は間違いになりつつある.なぜなら,VTuber界では転生という可能性が当たり前にとられるようになっているからだ.そもそも仏教は輪廻転生の考えがあり.我々日本人の多くもそれが当たり前のことだと考えているのではなかろうか.ならばVTuberも一度死ねば転生する,それが自然である.

そして転生した先で0からやり直すことはない.どこからかファンが気づくこともあるし,かつての同僚やVTuber仲間は見ている.企業系VTuberで魂をやっていた人はその活動において,確かな資産を築いているのだ.

上の例は0からVTuberになった方の例だった.しかし,より複雑な可能性も考えられる.個人VTuberから企業VTuberになりまた個人に戻る,生主からVTuberになり生主やストリーマーに戻ったり,クリエイターがVTuberになったあとで活動をやめる場合など様々な状況が考えられる.昔の記憶を引き継ぐか引き継がないかは人それぞれだが,正しい行いをしていれば資産となるが,そうでないなら借金にもなる.VTuberとしての立ち振舞いが大事になってくるわけである.

まとめると,企業系VTuberがそのままの身体でフリーランスな個人勢 (あるいは企業勢) になることはできるし,もっと言えば身体は違うかもしれないが転生することで間接的にフリーランスや他の企業VTuber,あるいは他のクリエイターなどになることができ,決して企業系VTuberとしての活動は魂サイドにとっても無駄ではない.

abcdef.hatenablog.com

コンプティーク12月号増刊 Vティーク Vol.2

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最後のはほんとなんとかしてほしい.VTuberのページに運営企業HPへのリンクを書いてないところなんてある???

VTuberは,エンジニアやクリエイターと同じ立ち位置で属人的でクリエイター重視の世界なので,昭和の時代の権力に従うのではないまさに新世代.退職,報告記事をはてなブログに書いてほしい.権力をファンとクリエイターグループの力で押さえつけている.

*1:グリーでもサイゲでもなくCAのどこかの子会社の話っぽい,星空学園