【2018年11月】VTuberのYouTube登録者数分布について

いきさつ

かねてからVTuberの登録者数の分布について興味があった.なんとなく登録者数が下位から上位に向かって緩やかに減少していくわけではなくて,どこかで急激に減少するところがあるように考えていた.しかし,User localのバーチャルYouTuberランキングのデータがページをまたぐために取得がめんどくさいので検証してこなかった.

最近株式会社ZIGがVTuberのデータベースを公開していることを発見した.こちらのサイトは,簡単に登録者数のデータを取得できる.そこでかねてからの課題について検討してみようと考えた.

手法

Vtuber Insight

上記サイトから2018年11月10日にデータを取得した.データは整形してExcelファイルとしてGitHubにアップロードしてあるので,よければ利用してほしい.

MShintou/VTuber

加えてユーザーローカルのDBも参考にした.

ZIGのデータベースは446人が登録されており,ユーザーローカルのものに比べて登録しているVTuberの数が明らかに少ない.ユーザーローカルのDBでは2000人まで閲覧することができる.ZIGでは1万人超えの上位陣でも登録されていない場合がある (例 朝ノ姉妹ぷろじぇくと) .登録者分布にどのような違いがあるか詳しく検討していないが,登録されていないVTuberは企業公式アカウント (にじさんじ,.Liveなど),転生組や登録者数が少ない方 (1万人以下) が多いようにみえる.

結果と考察

図1はVTuber登録者数の10000人ごとのヒストグラムである.

f:id:okamurauchino:20181112161937p:plain

0–10000人の頻度が一番多く (228人) ,登録者数が増えるに従って急激に減少する.30000–40000人までは毎階級30人以上存在しているが,40000人以上の階級になると10–20人になり,70000人以上ではすべての階級で10人以下になる.

ZIGのDBに登録されていない人の大半は登録者数が10000人以下 (特に1000人以下) だろうと思われるので*1,10000人以上の分布について主に議論する.

登録者数において大きく変化する場所は,まず登録者数10000人の壁でこの壁は一番高い.10000人を超えることが大きな壁になっている.登録者数の2つのDBの違いを考慮すると,この図より格差が広がることになる.

次に登録者数40000人の壁.ここを境にまた一段と減る.

そして70000人の壁.これをすぎると各階級10人以下になり,特に11万人を超えると一人二人が当たり前になり,同じくらいの登録者数の人がほとんどいない状態になる.

図2はVTuber登録者数の50000人ごとのヒストグラムである.

f:id:okamurauchino:20181112014032p:plain

この図からはより大局的な視点で考えることができる.

0–50000人がとても多い (337人) だが,5万–10万人で40人と激減し10–15万,15–20万人では10人以下,そしてそれ以上ではそれぞれの階級で一人,二人である.

20万人以上は11人 (ただしアイちゃんはこの中に一人で2つアカウントを持っているので実質10人).

まとめ

このようにVTuberの登録者は格差が大きい.20万人以上の人はすごい.今の所10人衆だが,ときのそらちゃんが20万人に達するので11人 (イレブン) になる.

f:id:okamurauchino:20181112022028p:plain

上位層の中には,にじさんじとアイドル部とその他グループに所属しているVTuberがたくさんいる.グループをひとまとめにしたとき,人気の例えば登録者が1万人以上のVTuberはそれほどいないのが現状だ.

ユーザーローカルのDBでは登録者数1000人以下のVTuberが1000人以上で,登録者数が5000人超えるとだいたい400位以内.それを踏まえると,広告無しで多くの人に登録して見てもらえるというのはすごい大変なんだなと本当に思う.1000人,そして5000人を超えるのもすごい.このあたりが新人のとりあえずの目標だろうか.

まあ数字はあくまでも数字にすぎないので、ファンが気にしてもしょうがないし、あーだこーだ言うものではない。私はあくまでも全体を把握するためにこの記事を書いたにすぎないことを強調しておく.

コンプティーク12月号増刊 Vティーク Vol.2

コンプティーク12月号増刊 Vティーク Vol.2

*1:ユーザーローカルのDBでは登録者数1000人以下のVTuberが1000人以上いる