視聴者がプロデューサーもやるVTuber界隈の特殊性

いろいろ考えたんだけれど,VTuber界隈はかなり特殊だよなと思った.

普通視聴者は,コンテンツをただ鑑賞して,楽しんでお金を払うくらいしかできない.アニメファンが,そのアニメの作り方を変更させたりすることはできないわけである.

コメントをしたりするのは誰でもできるしかやっているが,それはあくまでも個人の感想でしかない.でもVTuber界隈では,各々の考え方が部分的あるいは全面的に反映されることが多い.それはVTuberや運営が意見を募集するからだ.

アイドルのミートアップ行ったら,ガチでファンとアイドルが方針に関して話し合いをしていて驚いたとかいう話を聞いたことがあるが,これはVTuber界隈では当たり前のことである.

最近の日本のクリエイター界隈では,少数のアンチ的意見をどうやって無視するか気に留めないかというのが重要なスキルとなっている.一部の意見を真に受けると,精神に影響する.それで,やめていったクリエイターも多い.

なので,例外はあれどファンや外野の意見を聞きすぎないことがコンセンサスを得ているんだけれど,VTuber界隈はかなりファンなどの意見を聞く文化がある.それは善良な人だけが視聴者をやっていればいいのだけれど,そうでないときはろくでもない意見が集まる.にじさんじのはじめくんがどうでもいいことで嫌がらせ行為をされたみたいなことだ.

私がVTuberがニコ生のマネをして笑いを取るのがあんまり好きではないのは,そこらへんにも関係をしている.昔の人気があった文化をネタにすることは,やっている本人からしたら自虐も入っているのかも知れないが,リスペクトを欠いているように見える.そして,あの界隈のアンチ的な面白ければなんでもしていいという闇の部分をVTuber界隈に持ちこないでほしいからだ.

ラノベ界隈でも読者と作家が重なる部分が多いと言われているけれど,VTuberはそれ以上である.プロデュースをしていくというアイドルマスターみがある.

結論としてはファンは意見を出すが,結局採用するのはVTuberサイドである.出す方は好き勝手なことを言っているので,方針がブレずに活動をしてほしい.

「君と作り上げるVTuber活動」であるが,ファンがプロデューサーも兼ねている現状は良くも悪くも特殊で,お互いに病みやすいなぁと思う.心がダメージを受けやすい人は,陰ながら見守るほうがよいだろう.

PASH! 2019年 03月号

PASH! 2019年 03月号

叶,葛葉インタビュー記事掲載.